A Quarter Century Ago Today 25年前のロサンゼルス日記

25年前にロサンゼルスに滞在していた時の日々の記録。25年後のその日に公開していきます。

Pacific Data Inc.

Apr. 1st, 1998

 

 早くも4月になりました。日本も腹冷え、いえいえ花冷えだそうですが、ロサンゼルスもここ数日はまた雨が降り、少し冷え込む毎日です。

 USCにもMAYAが来て、この間インストールをすませました。時間を見つけて、少しづつマスターしたいと思っています。


 毎週水曜日にセミナークラスがありますが、今日のスピーカーはPacific Data Images(PDI)の社長でした。PDIはアメリカでも歴史の古い大手CGプロダクションです。
 デモリールなどを見せてもらいながら色々と話を聞きましたので、トピックを少しばかり。


 CMの制作が中心のPDIですが、テーマパークの映像もかなり制作しているということが分かりました。フロリダのMGMスタジオにある、私が大好きな「マペットビジョン」の映像は同社の制作によるものです。また、オーストラリアなどにあるワーナー・ブラザースのテーマパークの立体映像なども手がけているということです。

 一番のホットな話題として、1999年にドリームワークスから配給されるフルCG映画"Antz"(蟻)の制作が現在ここで進められています。既に劇場でもトレーラーが流れていますが、今日はそれに加えてかなり映像を見ることができました。これはかなり貴重な機会だったかと思います。
 蟻の視点から見た世界をコミカルに描いた作品で、人間のスニーカーに踏み潰されてしまう蟻の悲哀?なとも面白おかしく描かれています。CGの出来栄えも素晴らしいものがありました。

 公開の詳しい時期はまだ未定だそうです。というのもこの時期にスターウォーズの新作が公開になるため、ぶつからないように興行的に調整するということです。
 この他、やはり虫をテーマにしたCG映画"Bugs Life"が"Toy Story"と同じディズニー、PIXARという組み合わせで公開になります。これは今年中の公開だったかと思います。


 PDIも強力なインハウスのレンダラー、コンポジットツール、そして膨大なマシンパワーを誇ります。
 レンダーファームとしてDual cpuのマシンが120台、作業端末も含めると400cpuがあるということです。2晩にして70,000フレーム!!のレンダリングができると言っていました。
 Aliasは使用しているということですが、Softimageはほとんど使っていないということです。少し意外です。

 R&Dセクションに約20名程いるそうですが、レンダラーはほとんど1人によるものだそうです。膨大なデータのレンダリングのためにチューニングしたレンダラーでは、2,000万ポリゴン!!のシーンを2Kでレンダリングしても20分しかかからないということ
です。これにはビックリ。デジタルドメインでは"Titanic"などの映画制作の場合には、1フレーム数時間というのは当たり前と言っていましたが。


 そろそろリズム・アンド・ヒューズの見学に行きたいと思っています。