Alias / Softimage
Dec. 10th, 1997
昨日、今日と、Alias|WavefrontセミナーそしてSoftimage Los Angeles User Group Meetingに参加してきました。
Alias|Wavefrontセミナーは、ハリウッドにあるRFXというシステムをインテグレートをする会社で行われました。この会社があるSewardという通りには映像関係のポストプロダクションが密集していて、通称ポスプロ通りと言われているそうです。
RFXはAlias|Wavefrontの代理店になっているということで、日本で言えば住エレさんのような所です。
ここでの内容は、PowerAnimator8.2、StudioPaint、Composer4.5の紹介が中心で、余り新しい情報は得られませんでした。Mayaに関しての質問をしてみましたが、余り明確な情報は得られず、来年2月くらいに製品として出てくると言っていました。
最近Alias|Wavefrontのホームページをちょっとのぞいていませんでしたが、ここでのMayaのリリースに関する正式なコメントはどうなっているのでしょうか。ちょっと調べてみましょう。
まだ正式発表がない"Zap!it"という製品の簡単な説明があり、これには興味をひかれました。Real-time image & audio engineという説明をしていましたが、特別なハードを必要せずにこうした入出力ができるというのは、にわかに信じられません。また出力の際に、フィルムの24コマ、NTSCの30コマをソフト的に生成したり、ワイドスクリーン用やハイビジョン用に、解像度、アスペクト比も選べると言っているのですが....。
これに関してもWebページで今週に発表があるようなので、ちょっと見てみましょう。
Softimage Los Angeles User Group Meetingは、Softimageのロサンゼルス・オフィスで行われました。私は初めて参加したのですが、これは毎月行われているようです。来月は"Titanic"のメイキングが見られそうです。
こちらはユーザー・ミーティングなので、ユーザー事例としていくつかの映像を見ることができました。
まずDMC(Digital Magic Company)が作るテレビ・シリーズのシンデレラの紹介がありました。シンデレラが乗る、カボチャの馬車ができるシークエンス(モーフィングなどを含み、それなりに複雑です)を紹介していましたが、ソフトイメージのメンタルレ
イで奇麗なできになっていました。テレビ・シリーズだということを考えると立派なできでした。
"Falling Bodies"という、落下する人をシミュレーションするプラグインの紹介もありました。実際にどこまで使えるかは分かりませんが、螺旋階段から転げ落ちる人のシミュレーションなど、デモは良く出来ていて(干渉計算もかなり早いです)単純に楽し
めます。
こうした動きをキャプチャーで取るのは非常に難しいと力説しているのがメチャクチャうけていました。(実は螺旋階段から落ちる途中でモデルが股間を柵にしたたか打ちつけるからなのですが....。)
スタジオ・ジブリの「もののけ姫」の制作のために、トゥーン・シェーダーを書いていたという人も来ていました。Aliasでもアニメーション・タッチのレンダリングのプラグイン?が近々出るようですが、最近こうしたものがすごく脚光をあびています。
PC上のCGソフトMaxが、最初にこうしたプラグインを持ったかと思います。実際に使うとなると、それなりのノウハウを要するようですが実用レベルに到達しています。
日本のアングラ・アニメとして紹介され、このトゥーン・シェーダーを使ったMatsumoto Taiyouさんの「鉄コン筋クリート」という映像も流れました。どなたかこれをご存知ですか?
最後にProduction Plantが手がけたMortal Kombatのメイキングの話がありました。この映画に登場する、上半身が人で下半身が馬であるキャラクターのキャプチャーに関する話を聞くことが出来ました。
キャプチャー・データをスケルトンに反映させることに関しては、まだ他のソフトに比べてSoftimageに一日の長があるという印象をあらためて受けました。筋肉の隆起なども全てスケルトンとExpressionで処理をしていました。Aliasでもそうしたことは可能
なのですが、操作環境はSoftimageよりはるかに重くなるような気がしますがどうなのでしょうか。 同じようなデータでテストしないとはっきりとしたことは言えないですが。
"Mortal Kombat"の映像は、映画だということを考えるとかなりクウォリティに問題があると思ってしまいました。すごく偉そうですが。CGIに対する人の目はすごく厳しくなっています。何がいけないのかと考えていましたが、キャラクタの動きも多少問題はありますが、一番の問題は合成のなじみだと感じました。
合成の違和感というのに対して、人の目はかなりシビアです。デジタル・ドメインはタイタニックの合成で多い時は100素材近くを重ねたらしいですが、そのくらい手間暇をかけて初めて人の目をだませるのかもしれません。