SIGGRAPH 1998
Jul. 25th, 1998
SIGGRAPHからL.A.に戻ってきました。この間このページの終了宣言?をしましたが、せっかくですので簡単に報告を致します。
SIGGRAPH中に世にも恐ろしい経験をしました。心臓の弱い方はここを読み飛ばして下さい。(^_^;
今年のSIGGRAPHが開催されたフロリダのOrlandoは、ご存知の通り常夏と言ってもいいくらい暖かい所です。暖かいと....ゴキブリもよく育ちます。小判ほどの大きさのジャイアント・コクローチがいるそうです。
さて、SIGGRAPHのpartyから戻ってホテルのベッドに入ろうとすると、ベッドの上を黒い影が走るではありませんか。そう、いたのです。しかしそれはまだ序曲にしか過ぎませんでした。
翌朝出かけようと、靴を履いて洗面台の方へ歩いていくと....。ん!!!!!! 私の感覚は一瞬にして何が起こったのかを理解しました。靴の中で何かが動いたのです。
オ~~~~~~!!!!
前日ベッドの上を動いた影は、私の靴の中に隠れていたのです。その後、彼はバスタオルで引っぱたきの刑を受けたのでした。
チェックアウトの際には、ジェネラルマネージャーを呼んで苦情を言いました。その結果、ホテルの宿泊明細に次のような一行がタイプされています。
07/24 A BUG IN ROOM AND BED -59.50
さて、前置きが長くなりました。SIGGRAPHでの各社の細かい発表等はインターネットで既に飛び交っていると思いますので、私が受けた印象を少しばかり。
25周年という節目であったため、記念式典などのイベントがありました。クウォーターの国?アメリカでは、20とか30という数字よりも25の方が節目としては大きいのかもしれません。
展示の中で一番に印象残ったものは、モーションアナリシスのものでした。ここではリアルタイムの光学式キャプチャーを展示していました。これはNABでも展示がなかったのでかなり話題を呼んでいました。実際のキャプチャーの精度も申し分なく、これはかなりのインパクトがありました。このリアルタイムのシステムはNT上で稼動していて、SGIのものはまだリアルタイム対応していませんでした。
これに限らず、多くのアプリケーションがNTに移行していました。SGIがNTマシンを発表するという噂もありましたが、インテルのチップの開発の遅れからこれはありませんでした。これに伴い、SGIはMIPSのR14000までチップを作るとか。
Microsoft、そしてIntelのブースの大きさも目を引きました。このWintel連合に対して、Appleのブースが今年はなかったのが対照的でした。
Good Bye, L.A.!!
Jul. 16th, 1998
ロサンゼルスでの一年間が、今から思えば夢のように飛び去ろうとしています。最後の一ヶ月は本当に色々なことがあり、すごいスピードで過ぎていきます。
この間の週末は、念願のヨセミテに足を運びました。高校時代の仲間が私を含めて4人カリフォルニアにいます。みんなで集まろうという話が持ち上がり、それがヨセミテになったわけです。
12時間をかけてハーフドームという険しい山にも登ってきました。そんなに危険な所ではありませんが、最後は一応鎖場もありました。(http://felix.usc.edu/~awaji/yosemite/)※
※ 当時、USCに持っていたホームページのURLですが、当然今では閲覧できません。インターネット情報を収集するアメリカの機関であるInternet Archiveが運営するアーカイブサイト、Wayback Machineに、当時のページの一部が収集されていました。(2023年6月追記)
最近はずっと身体を動かしていたので、大丈夫だろうと思っていましたが、翌日しっかりと筋肉痛になりました。それだけ大変だったということでしょうか。
一昨日は、みんなが送別のSurprise Partyをしてくれました。私はお世話になっているWeinberg教授から食事をしようと誘われていて、てっきり二人で食事をするものと思っていました。
ところが約束の時間に近くの日本料理屋に行くと....、学生達がたくさん集まっているではありませんか。これは全く予想していなかったので、すごくうれしいSurpriseでした。
いつもくだらないことをワイワイしゃべったりしている学生の仲間達ですが、いざ別れるとなるとやはり寂しいものがあります。またいつかみんなで集まれるといいのですが。
明日からSIGGRAPHでフロリダへ向かいます。向こうから何かレポートをするかもしれませんが、一応これでこのページのレポートを最後にしようかと思っています。
直接、間接的に、色々な形でみなさんにはお世話になりました。本当にありがとうございました。
それでは日本でお会いしましょう。
Independence Day weekend
Jul. 5th, 1998
関東地方もそろそろ梅雨開けなのでしょうか。「先週中頃に梅雨開けをした模様です。」というような、天気予報での中途半端な何とも頼りない言い回しが不思議に響きます。※
※ 1998年の梅雨明けは「8月2日ごろ」だったようです。(2023年6月追記)
湿気のせいで、体感温度はロスよりも東京の方がはるかに高いのだと思います。ムシムシした暑さに全く慣れていないので、ちょっと帰国するのが恐い位です。
この週末はIndependence Day(7月4日)の週末でした。
USCのシステム管理者Anthonyが、ロスから2時間位東へ行った所にあるLake Arrowheadの貸しロッジを予約してくれました。大人8人、赤ちゃん1人、犬2匹でゆっくりと週末を過ごしてきました。
金曜日の夜から日曜までいたのですが、特に何をしたというわけではありません。バルコニーに椅子を出して本を読んだり、夕方バルコニーでBBQをしたりと、散歩に出る以外はほとんどロッジから出ませんでした。
日本で休みの日にどこかへ出かけると、ここぞとばかり遊びまくって、帰ると「あ~、疲れた」ということがよくありました。何もしないで、リラックスするだけのためにどこかへ出かけた、というのは本当に初めてかもしれません。
週末(金、土、日)ロッジを借りても300ドル。食費他を合わせても、一人当たり80ドル程度で済むからこそ、こうした贅沢な過ごし方ができるのかもしれません。
土曜日の夜は、ここの湖畔で独立記念日の花火を楽しみました。
Walk Bike
Jun. 28th, 1998
日本の今年の梅雨はどうなのでしょうか? ロサンゼルスっ子は梅雨なんかはつゆ知らず。毎日本当に晴れ上がっています。今日もまたローラーブレードで遠出してきました。往復40km位、4時間半程をかけてレドンドビーチまで行ってきました。
フルマラソンをしたのと同じ位の距離、時間ですが、疲れ方が全然違い、全然へっちゃらです。これは長い時間楽しめて、結構いいスポーツかもしれません。
途中、"Walk Bike"というサインがありました。直訳すると「自転車を歩かせろ」ということですが、「ここでは自転車から降りて押して歩きなさい」という意味です。短いフレーズでも、時々なるほどという表現に出会います。
日本のWカップは残念ながら3敗で終わってしまいました。それでもアメリカでのWカップ観戦、それなりに楽しめました。
ESPNというスポーツ専門チャンネルで、全試合が放送されています。画面右上の得点とともにスポンサーの名前がいつも表示されているかわり、ゲーム中にCMは入りません。やはりCANON、HONDAなど日系企業が目につきました。これらスポンサーの中に、US ARMYが混ざっていたのには驚きました。
解説者がやはり予選落ちをしたアメリカチームの話をしていました。アメリカチーム再建のために、どのチームを手本にするかという議論をした際に、アルゼンチンなどの強豪に混ざって、日本を手本にという意見もあったということです。日本のチームとしてのまとまりは高く評価されているようです。
中山のゴールの際に、解説者が「ゴン・マサシ・ナカヤマ」と言ったのには驚きました。
NHKでの試合放送(クロアチア戦?)の際に、ゲストで来ていたラモスが日本チームの不甲斐なさ?に激怒して大変だったとかいう噂を聞きましたが、何が起こったのでしょうか。
12年前のWカップ・アジア予選を国立競技場に見に行った際に、まだ帰化していなかったラモスがたまたま私の後ろの席にいました。韓国との試合で、ジョージ与那城(やはりブラジルから帰化した選手)を使わない監督采配に激怒して、前半で帰ってしまったことを思い出しました。
試合翌日の土曜日、Wカップに触発されたロス在住体育会系CG屋さん4人が集まって、朝からサッカーをやりました。
USCで一緒に研究をやっていた学生のErikは、月曜日から岐阜県にあるIAMASに一ヶ月留学です。金曜日がとりあえず彼にとってのプロジェクト最終日でした。
色々とまとめる指示を出していて、それが全部終わったらば「しゃぶしゃぶ」をご馳走することになっていました。が、ドキュメント作りに彼の予想以上の時間がかかり(最終日までドキュメントに着手しないので、私の予想通りではありましたが(^_^;)作業が終わったのは夜の10時になってしまいました。
12時間も大学にいたのでもうヘトヘトだと、彼は弱音をはいていました。
それからリトル・トーキョーへ行ったのですが、お目当ての店はすでにCloseになっていました。かくして、「しゃぶしゃぶ」は、安い定食屋に化けたのでした。
Movies
Jun. 25th, 1998
本当に早いもので、ロスでの生活も残すところ1ヶ月余りになりました。プロジェクトも大詰めという所なのですが....、一緒に作業を行っている学生のErikは、来週月曜日から岐阜県のIAMAS(国際情報科学芸術アカデミー)に一ヶ月インターンとして行きます。ということで、Erikと一緒に作業をするのは明日が最後です。明日の夜はリトルトーキョーで、しゃぶしゃぶをごちそうすることになっています。
Erikは日本語を勉強しているかというとそうでもなく、「ビル(ビール)ガ、スキデス」、「パティー(パーティー)シヨウ」とか、もっとも役に立たない?ことしか話せません。(^_^;
時間があるときには、相変わらず色々と映画を見に行っています。この一年でどれほど英語が上達したか疑問ですが、映画のジョークもかなり理解するようになったような気がしています。"Deep Impact"、"Six Days Seven Nights"に続き、今日は"The Truman Show"を見てきました。これは前評判に違わず、かなり楽しめました。
主人公Trumanはごく普通の毎日を送っているつもりだったのですが... 実際には自分の生活は全て作られたもので、知らないのは自分だけ。その生活は生まれたときから全世界に生中継をされていた。そのことに気がつき始めたTrumanはそこから脱出をしようと....
この手の映画では珍しく、映画終了とともに拍手がおきました。どうやら筒井康隆(漢字はあっていますか?)の小説に、すごく似たコンセプトの作品があるそうです。※
※ 筒井康隆の「おれに関する噂」という小説(2023年6月追記)
これから夏にかけて続々と映画が公開されてきます。現在公開されているものも含めて、帰る前に見たいと思っている映画がこんなにあります。
"Out of Sight"(ジョージ・クルーニー主演の最新作)
"Mulan"(ディズニーの新作。CGIももちろん見られます)
"The X Files"(言わずと知れた人気テレビシリーズの初映画作品)
"Gone with the Wind"(不朽の名作をQuantelのDominoを使ってリファ
インしたもの)
"Armageddon"("Deep Impact"とほぼ同様の?映画)
"Mask of Zoro"(トレーラーの出来が最高です。)
"Small Soldiers"(ILMが全面的にCGIを手がける期待作)
などなど。この内、実際に何本見られるでしょうか。
Moving Sale
Jun. 22nd, 1998
私のアパートのケーブルテレビには、ESPNとESPN2というスポーツ専門チャンネルが入ります。このお陰で、Wカップは全試合の放送を見ることができます。ESPN2は必ずしもどのケーブルテレビでも入るわけではないので、これは幸運でした。
日本の試合はフランスの午後2時半なので、日本では夜9時半と非常に見やすい時間帯です。が、これはアメリカ西海岸の朝5時半になります。こんなわけで、Wカップ早起き?をしています。次は今度の金曜日。一人で日本代表の青いTシャツを着て、朝から旗を降っています。(^_^;
コンピュータ雑誌の表紙にY2Kと書かれていたりします。一体これは何だろうと思っていたのですが、この答えが分かりました。Year 2K(=thousand)、すなわち西暦2000年のことです。日本でいうコンピュータの西暦2000年問題のことをY2Kと略して言うようです。
コンピュータ・サイエンスのコースには、こうしたスマートな?略語を考え出すためのクラスもあるそうです。
7月末に帰国するため、そろそろ引き上げの手順を考えています。車はもちろん、机やテレビなど、全てを売って帰国するつもりでいます。電圧が違う上、テレビやラジオの周波数帯が違うため、余り持って帰って使えるものがないのです。
当初はMoving Saleをやるつもりでいたのですが、学生時代の友人がPasadenaに移ってきて、車から何から全てをまとめて格安で譲ることにしました。私としてもぎりぎりまで車も所有ができて好都合です。帰国前一週間位はレンタカーを借りるつもりでいたのですが、その必要もなさそうです。
また、色々な人と価格の交渉を英語ですることを覚悟していましたが、これもなくなりました。
車の名義変更だけはしっかりとしないといけません。帰国直前にフロリダにSIGGRAPHに行くこともあって、だんだんと慌ただしくなってきています。
World Cup Soccer
Jun. 15th, 1998
サッカーWカップの予選リーグで、日本は残念ながらアルゼンチンに敗れました。善戦であることは確かですが、私は世界とのレベルの差を目の当たりにしました。
日本が初出場したことを筆頭に、次の大会が日韓で共催されることやチケット騒動など、とにかく話題に事欠かない大会です。
さて、ロスのケーブルテレビのスポーツチャンネルでもしっかりと放送がありました。
試合前日の土曜日は、私のアパートでパーティーがありました。我が家はすっかりパーティー会場として定着?しています。これは同じUSCに来ているTBSの山口さんが来週帰国するからということで開かれたもので、ロスに住む日本人CG関係者が20人程度集まりました。
が、これは私にとっては日本対アルゼンチン戦の前夜祭でした。
私がサッカー好きだということを知っていた友人の一人は、日本でしか入手できない日本代表のTシャツとフラッグを私にプレゼントしてくれました。感激~!!
試合はロサンゼルスでは日曜の朝5時半からです。当然のようにパーティーは朝まで続き(私が続かせ?)、それまで残った私を入れた7人がテレビの前で観戦しました。当然私はもらったTシャツを着て。
大いに盛り上がりました。アジア2次予選を見られなかった分まで狂ったように応援していました。試合終了後はフラフラになって、顔と手がしばらくしびれていました。ポケモン失神も理解できる気がしました。
次はクロアチア戦!!